起きないと損した気分?脳科学から見る早起きの価値とは

生活のリズムが崩れると、精神的に悪い影響が出ます。ネガティブな感情が噴出し、常にイライラしてしまい、時には周りの人に当たり散らして大変迷惑な行動に出る人もいます。

そういった場合の対処法として最も良いものが、早起きをすることです。それでは、なぜ早起きが精神に良い影響を与えるのでしょうか?これは、脳内ホルモン物質セロトニンの影響があります。

朝の太陽光を浴びれば浴びるほど、このセロトニンという物質は多く分泌されます。別名幸福ホルモンと呼ばれるだけあって、セロトニンは人のやる気やポジティブな思考を引き出します。

さらには、このセロトニンはドーパミンとノルアドレナリンという重要な脳内物質を正常化する働きもあるのです。簡単にいえば、ドーパミンは興奮をつかさどり、ノルアドレナリンは怒りをつかさどります。

つまり、セロトニンは幸せな感覚を人間にもたらし、興奮や怒りを抑えてコントロールする働きがあるということです。脳科学的に見ると、早起きの価値はこのセロトニンを沢山分泌させることにあります。

生活リズムが崩れてる人に早起きが大事です、といっても聞きませんが、このようにメカニズムを示せば理解できます。早起きによってメンタルがバランスよくなることは、多くの成功者がいっていることですが、脳内物質が大きな役割を果たしているのです。

若いうちから早起き習慣をつけておけば、脳内物質の活性化も習慣化して、老人になった時に認知症になりにくくなります。さらには、うつ病の予防にも有効です。

このように、良い事が沢山ある早起きですが、だからといってすぐに早起きができないのが人間です。なぜなら、人は元来、将来得られる大きなメリットより、目先の小さな利益を優先してしまう性分を持っているからです。

急がば回れという有名なことわざがありますが、これはそのような目先の利益を戒めるための言葉です。そして、早起きにおいての目先の小さな利益は、いうまでもなく二度寝です。

早起きをすると、もう一度眠りたいという欲望がふつふつと湧いてきます。ここで、眠るかどうかの葛藤は誰しも経験しているでしょう。結果二度寝してしまう人と、起きて活動する人にはどのような違いがあるのでしょうか?

ずばり違いは、価値の置き方です。二度寝してしまう人は、早起きより、もう一度寝ることのほうに大きな価値を置いてしまっています。経験者はみな知っていますが、長い目で見ると二度寝には何の価値もありません。

これを変える方法は一つです。早起きの価値を上げることです。とにかく、朝起きたら美味しい菓子を食べるとか高いコーヒーを飲む、また、好きな趣味をやるなどご褒美を用意しましょう。

そうして、幾度か早起きを経験すると、あきらかに二度寝よりも早起きした方が楽しいと思えるようになります。こうなると、早起きの価値が一気に上昇して二度寝を防止できます。

人の脳はげんきんなもので、早起きして何か得をすると、今度はそれをしなくては損をした気分になってしまうのです。ですので、セロトニンの分泌とともに、この人間の脳の仕組みをうまく利用すれば、早起きは習慣化しるのです。