眠りを誘うホルモンのメラトニン…早起きと関係ある?

とっても基本的なことですが、私たちはなぜ毎日眠くなり、そして眠るのでしょうか?眠ることがなければ、そもそも早く起きなどしなくてすむし、色々なコトをする時間がたっぷりあります。

しかし、残念ながら、人間は脳という複雑な器官をしっかり休ませなければ、生きていけないのです。もちろん、肉体的な疲労回復をするという意味もありますが、脳みそを休ませるというのが第一目的なんです。

だったら、一日の中で、細切れにたくさん眠ればいいかといえばそんなことはありません。そもそも、私たちは、夜眠くなり朝目覚めるという一定のサイクルのもと、体が組織されているのです。

そして、夜眠くなるのはなぜかといえば、体内でメラトニンというホルモンが分泌されているからです。メラトニンが、人間の体に規則的に眠気をもたらすことによって、私たちは毎日夜眠くなり、そして、長時間眠ることが出来ているのです。

メラトニンには、眠気をもたらす働きの他に、細胞を守る働きと、性的成熟を必要な時期まで抑えるという働きがあります。そして、メラトニンは、1歳~10歳まで特に活発に分泌されます。

子供は、昼寝を含めてやたら長時間眠ります。それは、このメラトニンの作用が関連しているのです。朝起きて、14~16時間くらい経過して、暗くなるとメラトニンは分泌されるといわれます。

つまり、7時に起きた人が眠くなるのは、メラトニンが分泌される21時~23時なのです。この時間に眠ると、人の体は生体リズムが整い、質の高い眠りを得られるのです。

早起きとの関係を見たとき、このメラトニンの分泌に合わせてきっちり眠ることが出来ると、朝もすっきり起きられるのです。逆に、夜更かしして、いつまでもテレビやパソコンのディスプレイを見ていると、メラトニンが分泌されず、いざ布団にはいっても寝つけない…なんてことが起ります。

また、先にも出たように、メラトニンは細胞を守る働きがあるので、多く分泌させればそれだけ健康になります。余談ですが、老化とともに、メラトニンの分泌量が下がります。お年寄りの眠りが浅い要因は、メラトニンの分泌量に関係があるのです。

早起き習慣を根付かせるためには、このような身体のホルモンの特性を理解する必要もあります。夜、眠くなってきたら、それはメラトニンが分泌しているサインです。それを逃さず、早寝をして、分泌量がピークになる2時付近に熟睡していれば、翌朝のすっきり感が変わります。

ちなみに、人間の体内時計は24時間ではなくて、25時間です。つまり、1日1時間のずれがあるのです。そのままにしていると、どんどん1時間づつずれていってしまいます。

しかし、これをリセットする方法があります。それが、太陽の光を15分間浴びることです。この行為によって、1時間のずれは、リセットされるといわれます。

メラトニンの分泌を多く促し、早起きをして太陽の光を浴びる。これは太古の昔から、人間が自然としてきた生活スタイルです。文明が発達した現代人とはいえ、体のしくみは変わりません。自然の流れと体の仕組みを理解して、早寝早起きを心がけましょう。